
国民的バンドへと駆け上がったMrs. GREEN APPLE。その輝かしい活躍の一方で、「ミセスグリーンアップルは昔のほうが良かった」という声が聞かれることがあります。
昔と今でバンドがどのように変わったのか、そしてなぜ一部のファンがファン離れを口にするのか、その理由は複雑です。活動休止を経て始まったフェーズ2が嫌いだと感じる人や、急に売れたと感じる戸惑いもあるかもしれません。
特にボーカル大森元貴さんの変化は大きく、ボーカルの昔の姿を昔の写真で懐かしむ声や、現在の化粧が気持ち悪いという意見まで存在します。
この記事では、バンドのデビュー日から昔のメンバー、そして心に残る昔の曲までを振り返りながら、なぜこのような意見が生まれるのかを深く掘り下げていきます。
結論!ミセスの昔と今の比較
比較項目 | 昔(フェーズ1 / 5人体制) | 今(フェーズ2 / 3人体制) |
音楽性 | 爽やかな青春ロックサウンドが中心。 ストレートな歌詞とキャッチーな曲調。 | ジャンルが多様化し、緻密で複雑な楽曲が増加。普遍的・哲学的なテーマを扱う。 |
ビジュアル | Tシャツなどラフな衣装が多く、一般的なロックバンドのスタイル。 | 楽曲の世界観を表現するメイクや、華やかで中性的な衣装が特徴的。 |
メンバー構成 | ギター2人、ベース、ドラム、ボーカルの5人組バンド。 | ギター、キーボード、ボーカルの3人組ユニット。 |
主なファン層 | 10代〜20代のロックバンド好きが中心。 | SNSの流行もあり、より低年齢層を含む幅広い世代のファンが急増。 |
「ミセスグリーンアップルは昔のほうが良かった」と言われる理由

- なぜ?昔と今の変化点を比較
- ファン離れは音楽性が変わったからか
- フェーズ2が嫌いという声も
- 大森の化粧が気持ち悪いとの意見
なぜ?昔と今の変化点を比較
「昔のほうが良かった」という意見の根幹には、バンドの活動フェーズにおける明確な変化が存在します。2020年の活動休止を境にした「フェーズ1」と、2022年の活動再開後の「フェーズ2」では、音楽性からビジュアル、メンバー構成に至るまで大きな違いが見られます。
この変化を客観的に理解するため、以下の表で具体的なポイントを比較します。
比較項目 | 昔(フェーズ1 / 5人体制) | 今(フェーズ2 / 3人体制) |
音楽性 | 青春ロックやポップなサウンドが中心で、ストレートな感情表現が特徴。 | ジャンルが多様化し、オーケストラなども取り入れた緻密で複雑な楽曲が増加。 |
歌詞のテーマ | 「夏」や「青春」など、若者世代が共感しやすい具体的なテーマが多い。 | 「人生」や「愛」など、より普遍的で哲学的なテーマを扱う傾向が強い。 |
ビジュアル | Tシャツにジーンズなど、等身大のロックバンドらしいラフなスタイル。 | 楽曲の世界観を表現するメイクや、華やかでアーティスティックな衣装。 |
メンバー構成 | 5人組のバンド(Gt./Vo. Gt. Dr. Ba. Key.)。 | 3人組のユニット(Gt./Vo. Gt. Key.)。 |
このように、フェーズ1とフェーズ2は、単なる時間の経過以上の大きな変化を伴っています。どちらが良い・悪いという評価ではなく、全く異なる魅力を持つ二つの側面があると考えるのが自然かもしれません。
したがって、フェーズ1の持つ特定の魅力に強く惹かれていたファンが、現在の姿に戸惑いを覚えるのは当然の流れとも考えられます。
ファン離れは音楽性が変わったからか
一部でささやかれるファン離れの最も大きな要因として、音楽性の変化が挙げられます。
フェーズ1時代のMrs. GREEN APPLEは、「StaRt」や「青と夏」に代表されるような、爽快感あふれるギターロックと、聴く人の背中を押すようなキャッチーなメロディーが魅力でした。多くのファンは、この分かりやすくストレートな音楽に自身の青春を重ね、共感していたと考えられます。
しかし、フェーズ2では音楽性が大きく進化し、より複雑で芸術性の高い方向へと舵を切りました。例えば、「ダンスホール」や「ケセラセラ」では、管楽器や弦楽器を取り入れた緻密なアレンジが施され、歌詞もより内省的で哲学的な深みを増しています。
この変化は、バンドとしての音楽的探求心の表れであり、新たなファン層を獲得する大きな要因となりました。一方で、以前のシンプルなバンドサウンドを好んでいたファンにとっては、この変化が「求めていたものと違う」と感じられ、距離が生まれる一因になった可能性があります。
音楽の好みは主観的なものであるため、バンドの進化が必ずしもすべてのファンに受け入れられるわけではない、という典型的な例と言えるでしょう。
フェーズ2が嫌いという声も
「フェーズ2が嫌い」という意見は、単に音楽性やビジュアルの変化だけを指しているわけではありません。この言葉の裏には、バンドが歩んできた物語そのものへの思いが込められている場合があります。
フェーズ1は、5人のメンバーでインディーズから駆け上がり、数々のライブでファンとの一体感を育んできた時代でした。ファンにとっては、メンバー全員で夢を追いかける姿そのものが魅力であり、バンドを応援することに強い思い入れがあったことでしょう。
それに対してフェーズ2は、約2年間の活動休止と2人のメンバーの脱退を経て、3人体制で再始動しました。この大きな変化は、一部の長年のファンにとって、かつて愛したバンドの形が変わってしまった、という寂しさを感じさせるものだったかもしれません。活動再開後の華々しい成功や、急激に拡大したファン層に、古くからのファンが一種の疎外感を覚えてしまうことも、この感情につながっている可能性があります。
大森元貴さんの化粧が気持ち悪いとの意見
ボーカル・大森元貴さんのビジュアルの変化、特にメイクについては、賛否両論があり、否定的な意見も見受けられます。フェーズ1時代の大森さんは、比較的ナチュラルなメイクで、親しみやすい「ロックバンドのフロントマン」という印象でした。
しかしフェーズ2に入ると、楽曲が持つ芸術的な世界観を視覚的に表現するため、アイラインを強調した中性的なメイクや、華やかな衣装を積極的に取り入れるようになります。このスタイルは、大森さんのアーティストとしての表現手法の一つであり、楽曲の持つ深遠なテーマをより際立たせる効果があります。
この変化を「美しい」「カリスマ性がある」と肯定的に捉えるファンが大勢いる一方で、一部では「やりすぎだ」「気持ち悪い」といった拒否反応が生まれているのも事実です。特に、フェーズ1の素朴なイメージを好んでいたファンにとって、この急激なビジュアルの変化は受け入れがたいものに映ることがあるようです。これもまた、バンドの変化に対する戸惑いの具体的な表れ方の一つと考えられます。
「ミセスグリーンアップルは昔のほうが良かった」と感じる原点

- デビュー日と昔のメンバー構成
- 昔の写真で見るボーカルの昔の姿
- 急に売れたきっかけは昔の曲
- 「ミセスグリーンアップル、昔のほうが良かった」という意見の総括
デビュー日と昔のメンバー構成
「昔のほうが良かった」と感じるファンが懐かしむ原点、それはバンドが5人体制で活動していた時代にあります。Mrs. GREEN APPLEのメジャーデビュー日は、2015年7月8日です。この日、ミニアルバム「Variety」で華々しく音楽シーンに登場しました。
当時のメンバー構成は以下の5人です。
- 大森 元貴(おおもり もとき):ボーカル、ギター
- 若井 滉斗(わかい ひろと):ギター
- 山中 綾華(やまなか あやか):ドラム
- 藤澤 涼架(ふじさわ りょうか):キーボード
- 髙野 清宗(たかの きよかず):ベース
この5人で生み出すバンドサウンドとステージ上での一体感が、当時のミセスの大きな魅力でした。特に、リズム隊である山中さんと髙野さんの存在は、フェーズ1の音楽的基盤を支える重要な要素でした。
2021年12月にこの2名が脱退し、3人体制へと移行したことが、昔を懐かしむ声が上がる大きなきっかけとなったのは間違いありません。
昔の写真で見るボーカルの昔の姿
現在のアーティスティックな姿とは対照的に、昔の写真で確認できるボーカル・大森元貴さんの姿は、より自然体で親近感のあるものでした。デビュー当初やフェーズ1の活動期間中の彼は、ロックバンドの青年らしい、Tシャツやパーカーといったラフな服装が中心でした。
ミセスグリーンアップルもオーサムシティクラブも昔の方が好き。 pic.twitter.com/Y0CCqZuxAn
— シュンスケ (@shunsuke_pt) February 3, 2025
髪型も比較的シンプルで、メイクも現在に比べるとかなり薄く、素顔に近い印象を与えます。ライブの写真などを見ると、汗を流しながら全身で音楽を表現する、情熱的なフロントマンの姿がそこにあります。
この「等身大の青年」というイメージが、当時の楽曲が持つ青春のきらめきや切なさと強く結びついていた、と感じるファンは少なくありません。現在の作り込まれたビジュアルと比較し、昔の素朴な姿に愛着を感じ、「あの頃の方が良かった」という心情につながっていくのでしょう。
急に売れたきっかけは昔の曲
Mrs. GREEN APPLEが「急に売れた」という印象を持つ人もいますが、実際にはデビューから着実に人気を積み重ねてきました。その人気を決定的なものにした、ブレイクのきっかけとなったのは、紛れもなく「昔の曲」つまりフェーズ1時代の楽曲です。
特に大きな転機となったのは、2019年にリリースされた「インフェルノ」でしょう。この曲はテレビアニメ「炎炎ノ消防隊」のオープニングテーマに起用され、アニメファン層を含む幅広いリスナーにバンドの存在を知らしめました。疾走感あふれるロックサウンドと圧倒的な熱量を誇るこの楽曲は、ミセスの知名度を全国区へと押し上げる起爆剤となったのです。
他にも、夏のアンセムとなった「青と夏」や、卒業ソングの定番となった「僕のこと」など、フェーズ1には彼らの人気を不動のものにした数々の名曲が存在します。フェーズ2での大成功も、この時代に築き上げた確固たる楽曲の力とファンベースがあったからこそ、と分析できます。
「ミセスグリーンアップル、昔のほうが良かった」という意見の総括
これまでの情報をまとめると、「ミセスグリーンアップル、昔のほうが良かった」という意見の背景には、様々な要因が複合的に絡み合っていることが分かります。
- 活動はフェーズ1とフェーズ2に大別される
- フェーズ1は5人体制のロックバンドだった
- フェーズ2は3人体制の音楽ユニットとしての側面が強い
- 昔の音楽性は爽やかな青春ロックが中心
- 現在の音楽性はジャンルレスで芸術性が高い
- ボーカル大森のビジュアルが大きく変化した
- 昔はナチュラルなスタイルだった
- 現在は中性的なメイクやファッションを取り入れている
- このビジュアルの変化には賛否両論がある
- メンバーの脱退が昔を懐かしむ一因となっている
- デビュー日は2015年7月8日
- 元メンバーは山中綾華と髙野清宗
- 「インフェルノ」の大ヒットが人気拡大の転機となった
- ファン層の変化に戸惑う古参ファンもいる
- バンドの進化とファンの求めるものの間に生じた自然な現象と言える